皆さんは、スペインを代表する偉大な芸術家「サルバドール・ダリ(Salvador Dali)」をご存知ですか?
おそらく、多くの方が彼の名前を知っているのではないかと思いますが、現在、東京の国立新美術館にて『ダリ展』が開催されています。
スペインの巨匠ダリは、日本でもその斬新で近代的な作風から幅広い世代に20世紀美術を代表する芸術家として非常に人気がありますね。
現代アートのような一度見たら忘れられない強烈なインパクトの作品が多いダリですが、なんと1904年生まれ、今から100年以上も前のアーティストなのです!まさに天才と呼ぶにふさわしい現代アーティストの先駆者と言えるダリなのです。
ダリは、スペインのカタルーニャ地方にあるフィゲラスの出身で、1929年にパリで彗星のようにデビューを飾って以来、生前から世界に認められ成功したアーティストでした。第二次世界大戦中にはアメリカに移住し戦火を逃れていますが、その後またスペインに帰国し、1989年に85歳で亡くなるまで多くの作品を残しています。
ダリは、その作品だけでなくやはり彼自身もクレイジーな人物として知られていました。みなさんも、ダリと言えば上向きにピンとはねた髭と、大きく見開いた目をしたダリの顔をイメージする人がほとんどなのではないでしょうか?
それほど、彼自身が「アート」作品として世界に認知されていたのでした。彼の言動も奇妙ものが多く、講演会に潜水服を着て登場したり、象に乗って凱旋門を訪れたり、頭にフランスパンをつけてリーゼントと称して登場したりと、様々なエピソードを持っています。
また、日本では意外と知られていないのですが、ダリは画家としてだけでなく、映画監督や舞台芸術、ジュエリーデザイナーなど様々な分野で活躍し、あのディズニーとコラボした経験もあるアーティストなのです。
そんなダリの成功の陰には、彼が生涯愛した妻「ガラ(Gala)」の存在がありました。ダリを語る上で彼女の存在は忘れてはなりません。
ガラは、ダリのモデルとして多くの作品にも登場しますが、彼女は妻としてダリを支えただけでなく、ダリのプロデューサーとして世界にダリの才能を売り出し、作品の販売から財産管理まで全てをガラが握っていたという非常に優秀なマネージャーでもあったのです。
今回、日本では約10年振りとなるこの「ダリ展」は、油彩のほかドローイング、オブジェ、ジュエリー、書籍、映像など約250点の多様な作品で構成され、日本で開催されたダリ展としては、過去最大規模の展示会となっています。
12月12日まで開催される予定ですので、関東地方在住の方、また東京へお出かけの方は、是非この機会に足を運び、ダリの魅力に触れてみませんか?
スペインへお出かけの予定がある方は、バルセロナ郊外のダリが生まれた町フィゲラスの「ダリ劇場美術館」の他、マドリッドの「王立ソフィア美術館」でも素晴らしいダリの作品を見ることができます。
芸術の秋、この機会に個性的すぎるダリの世界を覗いてみてはいかがでしょうか。