おいしい食べ物が溢れる秋から冬にかけてのこの季節、今回は“食”にまつわる話題として、「パエリア」に関するちょっと意外なお話をお届けします!
『スペイン人は、夜パエリアを食べない』、皆さんはこの事実をご存知でしたか?
もちろん例外もありますが、一般論としてこれは事実と言えるでしょう。
通常、スペインではパエリアはランチに食べるものであり、ディナーで食べることはほとんどないのです。
では、なぜスペイン人は夜パエリアを食べないのでしょうか?
その理由の1つとして「食事の時間」の違いが挙げられます。
スペインにおける食事の時間に関するお話は、以前にもこのブログで取り上げたことがありましたが、スペインでは1日のメインとなる食事は、夕食ではなく昼食です。
また、その昼食の時間は、通常午後2時、夕食の時間はなんと夜9時~10時くらいです!
(この食事の時間に関する記事の詳細はこちら>「スペインの食事は1日5回!?」)
そのため、ボリュームのある食事と言えるパエリアは、1日のメインの食事であるランチに食べることが一般的なのです。
逆に、ディナーは軽く済ませることが多いため、お腹にたまるお米料理や、パエリアのような油を多く使った料理は、夕食にはあまり食べないものとされているのです。
では、スペイン人はどんな時にパエリアを食べるのでしょうか?
パエリアはバレンシア地方発祥のため、バレンシアを中心とした地域の方が食べる頻度が高いのですが、一般的には私たちにとっての「お寿司」のような位置づけです。つまり、何か特別な時や、家族が集まる週末などに、ちょっとしたご馳走として食べられることが多いのです。
実際には週末などによく食べられているパエリアですが、伝統的にはなぜか「木曜日はパエリアの日」と言われています。
この理由は諸説あり、その昔スペインを統治していたフランコ将軍が毎週木曜日にパエリアを食べたからだとか、昔は新鮮な魚介類が入荷するのが木曜日だったからだとか、レストランで週末に備えて木曜日に残った食材を使い切るためにパエリアを作ったからなど… 様々な言い伝えがあり真相はよく分かっていないようす。にもかかわらず、この「木曜日のパエリア」は現在も一般に深く浸透しています。そのため、ローカル向けの多くのレストランやバルでは、木曜日になると“本日のスペシャルメニュー”としてパエリアが提供されています。
皆さんもスペインを訪れた際に、カジュアルにパエリアを食べてみたいと思ったらバルやレストランの木曜ランチが狙い目かもしれません。
もちろん、毎日パエリアを提供するパエリア専門店もあります。
ただし、仮にスペインの観光名所付近で一見人気のありそうなレストランを見つけたとしても、夜にパエリアを食べながらサングリアを飲んでいる人たちがいたら、それは確実に欧米人観光客たちです。地元のスペイン人たちではありませんのでご注意下さい。もしスペインで本当に美味しいパエリアを食べたい!という場合には、ローカルに人気のお店をリサーチし “ランチタイムに”行ってみることをお勧めいたします。
週末のお昼は、地元の人達で大いに賑わっていることでしょう。
今回のパエリア同様、少し意外なテーマとして、スペイン人がサングリアを飲まないという話題も以前に紹介しています!詳しくはこちら>「スペイン人はサングリアを飲まない!?」
以前に紹介したパエリアについての詳しい記事はこちら>「スペイン料理!といえば、パエリア!!」