スペインの「市場 (Mercado)」文化について

ここ最近、日本では築地市場の移転問題が大きくニュースで取り上げられていますが、みなさんは普段、買い物をしに「市場」へ行く習慣はありますか?

恐らく日本では、飲食業でもない限り日常的に市場へ行く習慣がある人は少なく、多くの方がスーパーマーケットで買い物をするのではないでしょうか。

しかし、スペインで「市場」は一般庶民の生活に密着しています。実際に多くの人が日常的に食品を買うために市場へ通います。

Mercado de San Miguel en Madrid

スペイン語で「市場」のことを “mercad(メルカド)” といいますが、ほとんどの主要都市に“mercado central(メルカド・セントラル)”などと呼ばれる「中央市場」が存在します。メルカド・セントラルには、魚屋さんやお肉屋さんだけでなく、八百屋さん、果物屋さん、お花屋さん、ハムやチーズを取り扱うお店、オリーブや乾物を取り扱うお店、パン屋さんやパティスリー、お惣菜屋さんに酒屋さん、市場内にカフェやバーまであったりするのです!

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そこでは、飲食などの業者の方だけでなく、ごく普通の一般の人の多くが市場で日常的に新鮮な食材を買い求めますので、プロのための日本の市場文化に比べて、スペインの市場文化は広く一般には開かれているのです。中央市場でなくても、“mercadillo(メルカディージョ)”などと呼ばれる小さな市場や、週末だけ広場などで開催される青空市場もあります。

もちろん、スペインにも多くのスーパーマーケットが存在しますが、市場の方がより新鮮で安いという感覚があります。

それだけではありません。市場で買い物をするということは、スーパーで欲しい物をカゴに追加しレジを通過することと違って、必ず「コミュニケーション」が発生してきます。市場では、今日はどんな新鮮なものが入荷しているのか、どのくらいの量を欲しいのか、何を料理するの?とか、(肉や魚を)どんな風にカットしようか?、おまけをしてあげるとか、常連になってくると最近どう?といったそんな会話まで耳に飛び込んできます。

便利さには欠けるかもしれませんが、いかにもスペインらしい人情溢れる日常がそこにあるのです。日本では失われつつある人間関係やコミュニケーション、新鮮なものをその日に必要なだけ買うという文化がスペインでは今もまだ根強く残っています。市場には、活気と人々の笑顔が溢れ、そこを訪れてみるだけで楽しくなることでしょう。

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そんなスペインの市場ですが、もちろん観光客も買い物をすることができますよ!そして、私たちがイメージする日本の市場と違い、ずっとキレイでお洒落だったりします。市場によっては、朝からワインを飲みながらそこで買ったものを食べたり、カフェをしたりすることもできます。

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もちろん、買い物をするにあたりコミュニケーションは必須となりますので、スペイン語を学習している方は是非、市場で日頃の学習の成果を発揮してみて下さいね。

 

最後に、観光客も気軽に訪れることができる主要都市の有名な市場を紹介させて頂きます!

マドリッド:サン・ミゲル市場 (Mercado de San Miguel)

バルセロナ:サン・ジョセップ市場 (Mercat de Sant Josep de la Boqueria)

バレンシア:バレンシア中央市場 (Mercado Central de Valencia)

セビージャ:トリアナ市場 (Mercado de Triana)

上記以外にも各都市にこのような中央市場があります。

市場では、美味しいものが安く手に入るだけでなく、定番の観光スポットでは味わえないスペインの日常生活を間近に感じ、触れ合うことができますので、スペインへ行く際には是非「市場」へ足を運んでみて下さいね。

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