スペイン・ワインの選び方

1日1日と秋の深まりを感じる季節になってきましたね。同時にワインも美味しい季節になってきましたが、みなさんはスペイン・ワインがお好きですか?

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最近では、フランスやイタリアからだけでなく、多くのスペイン・ワインも日本へ輸入されるようになりたくさんの種類を見かけますが、スペイン・ワインに精通していない人間にとっては、その選び方も難しいところです。

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今日はそんなスペイン・ワインの基本的な情報をお伝えしたいと思います!

 

スペインは、ワインの生産量に関してはイタリア、フランスに続く世界3番目、ブドウの栽培面積に関してはなんと世界第1位を誇るワイン大国なのです!

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スペインでは、栽培されているブドウの種類も非常に多いのですが、まず覚えておきたいメジャーなブドウの種類は以下の通りです。

赤:テンプラニージョ(Tempranillo)、ガルナッチャ(Garnacha)

白:アルバニーニョ(Alvaniño)、アイレン(Airén)

スペイン・ワインといえば、赤ワインのイメージが強い方が多いと思いますが、やはり輸出市場では上記の「テンプラニージョ(Tempranillo)」を使用した赤ワインが圧倒的に多く見られます。

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続いて、覚えておきたいのがワインの産地です。

スペインは、気候風土が地域により大きく異なりますが、最も有名なワイン産地はやはり先に挙げたテンプラニージョ(Tempranillo)を使ったワインの名産地「リオハ(La Rioja)」と言えるでしょう。リオハのワインは世界各国に輸出され、輸出先だけでなくスペイン国内でも高級ワインの産地として名高い地域ですので、赤ワイン好きの方は必ずこの産地の名前「リオハ(La Rioja)」を覚えておくと良いでしょう!

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リオハに続いて、近年では「リベラ・デル・ドゥエロ(Ribera del Duero)」や「プリオラート(Priorato)」といった地域も良い赤ワインの産地として知られています。

白ワインの産地に関しては、日本ではまだまだ知名度が低いですが、ガリシアにある「リアス・バイシャス(Rías Baixas)」という地域がアルバニーニョ(Alvaniño)種を使った上質な白としてスペイン国内では知られていますよ。日本での取り扱いは多いとは言えませんが、見かけた際には是非お試し下さい。

最後に多くの方がご存知のスパークリング・ワイン「Cava(カバ)」は、バルセロナがあるカタルーニャ地方に属しています。

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実は、スペイン・ワインには「格付け」に相当するものが存在します。これは、EUのワイン法に従い、生産者や地域ごとのワインの品質を守るために7つのカテゴリーに分類した原産地呼称制度です。

分かりやすく表記すると以下のようなピラミッドになりますが、ワインのラベルに表記がありますので、ワイン選びの際にはそのワインが以下のどのカテゴリーに属したワインなのか、よくチェックしてみて下さいね。

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Vino de Pago / V.P.Ca. (ビノ・デ・パゴ):“単一畑のみ”の最高級ワイン。

Denominación de Origen Calificada / D.O.Ca. (デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ):特選原産地呼称ワイン。
次に挙げた3番のD.O.に属するワインの中から厳しい基準で昇格が認められた高級ワイン。最初にこのカテゴリーに認められたのは、もちろん「リオハ」!

Denominación de Origen / D.O. (デノミナシオン・デ・オリヘン):原産地呼称ワイン。
原産地呼称統制委員会が設置された地域で、許可品種を用いて地域内で栽培されたことなど、厳しい基準をクリアして生産されたワイン。現在、60以上のD.O.があり、スペインの高品質ワインの中核的なカテゴリー。

Vino de Calidad con Indicación Geográfica / V.C.I.G (ビノ・デ・カリダッ・コン・インディカシオン・ヘオグラフィカ):特定の地域・地区で収穫されたブドウから作られたワインで、地域性を表現していると判断されたもの。
このカテゴリーを5年以上名乗ることができれば、上記のD.O.へ昇格を申請することができる。

Vino de la Tierra (ビノ・デ・ティエラ):いわゆる「地酒」。
ラベルには、Vino de la Tierra de〜と、後に地域の名前が付く。

Viñedos de España (ビニェードス・デ・エスパーニャ):スペイン品種限定ワイン。
安価な輸入ワインと区別するために作られたカテゴリー。ボックスワインにも使用できるもの。上記のVino de la Tierra (ビノ・デ・ティエラ)のカテゴリーもここに含まれる。

Vino de Mesa (ビノ・デ・メサ):地理的表示のないテーブルワイン。
格付けされていない畑のブドウで作られたワインや、複数の地域のブドウまたはワインを混ぜて作ったもの。よって、「スペイン産」という表記のみで、地域名、ブドウ品種、収穫年の表示は許可されていない。

 

最後に、スペイン・ワインの名前と一緒にラベルによく表記されている“Reserva”などといった表記は何?といった疑問をよく耳にしますが、こちらはワインの「熟成期間」を示すものです。

ただし、この熟成期間の表示方法は、そのワインの格付けが上記ピラミッドの上部①〜③の高級ワインに属する場合と、ピラミッドのそれより下の④〜⑦の地理的表示付きワインに属するかによって「熟成期間」の表し方が異なります。

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【①〜③の高級ワインに属している場合】

(1) Gran Reserva (グラン・レセルバ)
赤ワインは、オーク樽と瓶で最低60ヶ月熟成、うち最低18ヶ月は樽熟成。
白ワインとロゼワインは、最低48ヶ月熟成、うち最低6ヶ月は樽熟成。

(2) Reserva (レセルバ)
赤ワインは、オーク樽と瓶で最低36ヶ月熟成、うち最低12ヶ月は樽熟成。
白ワインとロゼワインは、最低24ヶ月熟成、うち最低6ヶ月は樽熟成。

(3) Crianza (クリアンサ)
赤ワインは、オーク樽と瓶で最低24ヶ月熟成、うち最低6ヶ月は樽熟成。
白ワインとロゼワインは、最低18ヶ月熟成、うち最低6ヶ月は樽熟成。

(4) Joven (ホベン)
醸造後すぐに瓶詰めされるか、熟成期間がクリアンサに達しないもの。

 

【④〜⑦の地理的表示付きワインに属している場合】

(1) Viejo (ビエホ)
オーク樽または瓶で36ヶ月以上熟成。自然の作用により酸化熟成が顕著に認められるもの。

(2) Añejo (アニェホ)
オーク樽または瓶で24ヶ月以上熟成。

(3) Noble (ノブレ)
オーク樽または瓶で18ヶ月以上熟成。

 

これまで選びにくかったスペイン・ワインも、このような表記のルールや産地が分かってくると、選ぶのが楽しくなってきますね!

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私たちが人に日本酒などをプレゼントする時に、そこまで知識がなくても有名な産地のものや自分の出身や好きな産地のもの、そして良いものを選びたかったら「大吟醸」にしようかなといった具合で選ぶように、スペインでもパーティーに呼ばれた時のお土産やプレゼントとして人にワインを渡す際には、やはり有名どころの「リオハ」のワイン、特に「レセルバ」や「グラン・レセルバ」にしようかなといった具合で選んだりします。

特別な知識がなくても、最低限の情報が理解できれば十分楽しくワイン選びができますね!

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みなさんも是非、今年の秋はスペイン・ワインと共に秋の夜長を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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